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クラフトビールサブスク「Otomoni」ユーザーフレンドリーな仕組みで高継続率【DXニュース】vol.15

2022.01.27

今回のプレゼンターは、国内外のリテールテックを10年以上見続けてきた株式会社DearOne CEOの河野さん。DXニュース第15回は、「継続率98%のクラフトビールサブスク 客がやめないアプリ設計術」を取り上げて解説します。それでは、はじめましょう!

レビューで「ビールの好み」を分析して、ラインナップを変更

三石所長(当時。以下、三石) 「DXニュース」第15回です! ニュースプレゼンターは、前回に引き続き、リテールテックを10年以上見続けてきたCEOの河野さんです!

河野恭久さん(以下、河野) よろしくお願いします!

三石 今月のラスト3本目は、「継続率98%のクラフトビールサブスク 客がやめないアプリ設計術」ですね!

河野 最後はクラフトビールです。三石さんはクラフトビール好きだから、クラフトビールのサブスクサービス「Otomoniを知っているかもしれませんね。

三石 はい、実は僕がやっているクラフトビール(CRAFT BEER LIFE)も数字が伸びてます。インスタのフォロワーが1万9,000人になったんですよ。Otomoniはよく知っていて、ミーティングもしましたし、継続的にコラボもさせてもらっています。

河野 そうだったんですね! まずは僕なりの視点から注目ポイントをまとめましたので、ご覧ください。

クラフトビールサブスク

河野 僕がこの記事で好きだったのは、Otomoniは集客、リテンションさせるための手段と、アプリをうまく活用されているところで、そこが素晴らしかったのでピックアップしました。まず、この1年で会員数が2.2倍に伸びています

三石 そう、Otomoniは今すごく伸びてるんですよね、素晴らしい。

河野 そして、チャーンレート(解約率)が2.1%に抑えられているところも素晴らしいですね。月額4,378円で定期的に6本のビールが届くサービスなんですが、ポイントはそのサイクルをうまく回しているところです。レビューをしたくなる仕掛けがあって、Otomoniにそのデータが貯まっていき、分析して、その顧客が好きであろう3本を追加して送るというものです。

三石 ですよね。あと、この画面の左側の写真が実際のレビューの画面で、届いたビールを5段階で評価すると、この人の好みが運営会社としてはわかるようになると。商品のレビューとしてもありがたいうえに、データ上で個人の好み、パーソナライズが進みます。そうすると、その人の好みに合った新しい3本が入れ替わるという仕組みです。

河野 さらに記事中に書いてあったのは、好みじゃない味が連続して届くとお客さんは解約してしまうということ。それがわかっているから、レビューを書いてもらってその人の好みに合ったものを送ると、解約率も下がるし、レビューも貯まるというサイクルになっています。

三石 お客さんも会社もメリットがあって、素晴らしいですね。最近知った、イギリスの「graze」というお菓子のサブスクサービスの話を思い出しました。grazeでは毎月4種類のオーガニックお菓子を届けてくれるのらしいですが、その際はお客様の好みのお菓子だけでなく、アンケート結果をもとにお客様にとって新たな出会いとなるお菓子も入れるそうです。

河野 それはそれで、翌月どんなものが届くのか楽しみになりますね!​

クラフトビールの特性を考えたうえでの「サブスクお休み期間」の設定

クラフトビール

河野 そうなんです。もう1つの仕掛けが「図鑑」です。これ、僕も過去にビール会社に何回も提案して、結局実現できなかったのでちょっと悔しいんですけど、飲んだら埋まっていくというものですね。コレクション欲求を刺激して、コレクターが集めたくなると。ランクもあって、ファンやマスターと6段階で上がっていくようになっています。

三石 なるほど。クラフトビールはデザインがいいのも、魅力の1つなんですよね。

河野 そうそう。ラベルデザインがいいと、カラフルで高揚感があって写真投稿をしたくなっちゃう。実際に飲むときには、ボトルとビールを注いだグラスをセットにした写真を投稿したくなるということで、シズル感的なところも含めて効果倍増と。

三石 いいですね。確か、社長が金澤さんという方で、IT系の出身なんです。だから、そもそも起業している中心人物がデータドリブンの思考でやってらっしゃって。

河野 そうなんですね!

三石 その上でブルワリーに足を運んで、ちゃんとネットワークをつくっているんです。ブルワリーも売ってくれないと付き合ってくれないので、「売るから協力して!」という関係をつくってらっしゃるので。

河野 足を使った営業と、DXの両軸で。素晴らしいですね。オープンしてまだ2年らしいですけど、レビューは既に3万5,000件。やっぱり、さっきのレビューの仕組みが奏功していますね。

三石 本当ですね。Otomoniは最近、オリジナルビールもつくったんです。だから、また新たなファンができて、いいスパイラルにいきそうですね。ビールはリテンションするから、プロダクトとしての着眼点がいいですよね。コロナ禍で飲みに行かなくなっているなかで、いろいろなビールが家に届いて飲めるのは楽しいので。そういったところも考えて、しっかり仕上げている印象です。

≪三石所長(当時)`s Memo≫

ビールの家飲み需要が伸びているなかで、Otomoniはその需要を捉えてクラフトビールのサブスクサービスをしっかりと設計し、仕上げている。

河野 なるほど、さすがクラフトビール好きの三石さん。

三石 そのうち、おつまみのサブスクとかもはじめるんじゃないですかね。あと、グラス販売とか。

河野 確かに。最後に、Otomoniはサブスクなのに配送をスキップする機能があるらしくて、これもなるほどなと思いました。解約する人はサービスを使い切れない、要するに月額に見合わないと判断したということなので、それを防ぐために1か月スキップ(配送を停止)できる機能があると。

三石 確かにそれ、ミーティングのときに聞いたような気がします。めっちゃ賢いなと思って。そうすると、月額の収入は入ってこないものの解約されない。要は「お休み期間」で、ユーザーフレンドリーですね。クラフトビールって一般的に市販されているビールに比べて日持ちしないんですよ。

河野 すぐ飲んでもらわないといけないんですね。

三石 そうなんです。なので、そういったところの機能は本当にユーザーフレンドリーですね。いや、最高ですね。

≪三石所長(当時)`s Memo≫

日持ちしないクラフトビールのサブスクだからこそ「お休み期間」を設けられる設定は、ユーザーフレンドリー。

河野 はい、今月は以上の3点です。ありがとうございました。

三石 今回は、大坪さんだったり、Otomoniだったり、僕たちの知り合いがいる企業を取り上げましたね。こういったニュースを紹介する時は、「本当のところ、どうなんですか?」みたいなことを直接聞けると面白いですね。

河野 僕もそう思いました! 今日話したことは記事とは違う内容でしたからね。

三石 そうですよね。しかも深い話が聞けますし。いろいろな方に会って、直接話を聞いてみたいですよね。3か月に一度ぐらいとかのペースで。

河野 面白いですね、今後ぜひ挑戦していきましょう!

―――次回の【DXニュース】で取り上げるニュースも、河野さんが解説していきます。お楽しみに!

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