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スターバックスアプリが圧倒的な高評価を受ける理由とは?ドトール、タリーズ、コメダのアプリと比較して見えたこと【アプリ研究会】

2023.04.21

エンジニア、デザイナー、マーケターなど、さまざまな職種のメンバーが参加しているDearOne「アプリ研究会」による座談会では、現在のアプリ事情について語り尽くします!

今回のテーマは「リテール(カフェ)」。スターバックス、ドトール、タリーズ、コメダの4つのアプリを取り上げ、議論します。

タリーズだけ深夜の利用率が高い理由とは?

アプリ同好会の今回のテーマは「リテール(カフェ/ファストフード)」です。まずはDearOneが提供する、アプリ統計情報を利用したアプリ競合利用調査レポートサービス「SmaRepo」をもとにした分析・報告です。

アプリ分析・利用動向分析サービス「SmaRepo」
アプリ分析・利用動向分析サービス「SmaRepo」

https://sma-repo.com/

森田 今回は「カフェ」として、スターバックスさん、ドトールさん、タリーズさん、コメダさんの4つのアプリを取り上げています。

アプリ研究会での森田氏

アクティブ率(MAU率)を比較してみると、調査前は「スターバックスさんがずば抜けているのではないか」と思っていたのですが、2021年12月を見ると、スターバックスさん、タリーズさん、ドトールさんの3つは大きな差がありませんでした

カフェMAU率比較 ©︎ 2023 株式会社DearOne
©︎ 2023 株式会社DearOne

小笠原 ドトールさんのアプリは我々DearOneが担当しているのですが、これは運用ご担当者様にアプリの運用を頑張っていただいた結果です。

森田 アクティブ数(MAU数)はスターバックスさんが約230万なのに対して、ドトールさんが約23万、タリーズさんが約30万と、1桁違っていました。これらを踏まえて、カフェに関するサマリを以下の3つにまとめました。

カフェアプリサマリ

  1. MAU率はスターバックス・ドトール・タリーズの3アプリは60%台後半で推移。特にドトールは12月に大幅増(4%)
  2. MAU数はスターバックスアプリが圧倒的。他アプリが2~30万MAUなのに比べて、スターバックスは200万MAU以上
  3. タリーズアプリは深夜の利用率が非常に高い。1日1回できるゲーム機能の効果で、日付が変わったタイミングでアプリを起動する人が一定数存在すると推測できる

森田 興味深かったポイントとしては、スターバックスさんやドトールさんなどは朝や昼の利用率が高いのですが「タリーズさんだけ深夜の利用率が高くなっている」ところです。

1日に1回だけできる抽選機能があり、それを日付が変わった瞬間に利用する人が多いからだと思います。DearOneで担当している他のアプリで言うと、マックスバリュ関東さんもスクラッチ機能があるので深夜の利用率が極端に高くなっています。

毎回プッシュ通知が出るからというよりは、習慣化している人が多いからだと思われます。

細川 プッシュ通知に関しては、DearOneの場合は、ユーザビリティが下がるので23時から7時は閉じています。担当しているJALカードも1日1回マイルが当たるゲームを入れていて、そのリセットが0時で、ユーザーはそれがわかっているから0時台のアクセスが多くなっています。ゲームをしたいから、その時間に能動的にユーザーが開くわけです。

【注目ポイント】

1日に1回だけできる抽選機能によって、0時過ぎにアプリを開くことが習慣になっているユーザーが存在する!

4つの事象で分析すると見えてくる、スターバックスアプリの凄さ

アプリ研究会での小笠原氏

小笠原 私は普段、新規企業様にアプリの提案をする際に、コーポレートサイトに書いてあるベーシックな言葉を見て「この企業はこういうことをテーマにしている」と理解してから提案するように心がけています。たとえば、スターバックスさんは『ペーパーカップやタンブラーを手に街を歩くスタイルや、家でも職場でもない「サードプレイス」の提案』とあります。

会社案内|スターバックス コーヒー ジャパン|スクリーンショット
会社案内|スターバックス コーヒー ジャパン|スクリーンショット

つまり、家で飲むというよりも特別なところでコーヒーを買って、持ったまま散歩するなど、そういう体験を売るのがスターバックスさんのはじまりであって、“体験価値を提供している企業”なのです。

スターバックスさんはアプリの評価が非常に高いです。アプリストア上での評価を見ると、iOSは16万件の評価で4.7、Androidは1万件の評価で4.7から4.8と、かなりの高評価です。通常、無料のO2Oのアプリは厳しい評価を受けがちですが、その中では異例の高さです。

カフェ業界_スターバックスコーヒー公式モバイルアプリの存在感
株式会社DearOne調べ

なぜ、こんなに高評価になるのかを、我々がよく使う「4つの分類のフレームワーク」を使って、分析してみました。

「4つの分類のフレームワーク」とは、お客様にノーススターメトリック指標を決めてもらった後に、どんな施策、KPIが最適かを考えるときに使うフレームワークです。

「広がり(ユーザー数)」「効率(タスク完了までの速度)」「深さ(エンゲージメントレベル)」「頻度(再訪頻度)」の4象限に分類してみると、スターバックスさんは全方位的に機能がある印象です。
たとえば、店に行けば行くほどポイントが貯まって還元される「Rewards」、ユーザーに情報を伝える「Inbox」、他の人にプレゼントできる「eGift」、さらにクーポンが飛んでくる「eTicket」などがあって、来店の頻度、深さ、広がりのすべてを取れています。

カフェ業界_スターバックスコーヒー公式モバイルアプリの機能一覧
株式会社DearOne調べ

さらに、店頭での支払いを意識した「Mobile Order & Pay」や店舗検索の「Stores」があり、「体験をよりよくしてスピーディに使ってもらおう」という点への意識が高いです。

「広がり(ユーザー数)」「効率(タスク完了までの速度)」「深さ(エンゲージメントレベル)」「頻度(再訪頻度)」において、スターバックスのアプリは全方位的に機能している!

ファストフード戦国時代に突入

塚田 僕もスターバックスさんによく行っています。以前はドトールさんにばかり行っていたのですが、誕生日にLINEでスターバックスさんの「eGift」を5枚ぐらいもらいました。それは店頭で700円分のコーヒーをもらえるもので、アプリで使いはじめたことをきっかけに、スターバックスさんにのめり込んでしまい、頻度も高まってロイヤリティ化した経緯が実体験としてありました。また、モバイルオーダー*1レジに並ばずオンラインで商品を選択・支払いし、店舗で受け取ることができるサービスの存在も大きく毎回使っています。明大前、下北沢、吉祥寺のスターバックスさんによく行くのですが、いつも人がたくさん並んでいます。一度そこでモバイルオーダーを使ったら、並んでいた妙齢の女性に「抜かすな」と怒られたことがあります。それでも本当に時間、生産性が限りなく上がるサービスですよね。

赤木 モバイルオーダー関連ではAmplitudeが出している記事があるので、ここで紹介させてください!(記事名:「製品インテリジェンスがクイックサービスレストランの競争力を高める3つの方法」)

記事は英文なのですが、QSR(クイックサービスレストラン)、日本語で言うとファストフードにおいてプロダクトインテリジェンス、プロダクトアナリティクスが重要になっている、という内容です。

​(※編集部注・「プロダクトアナリティクス」とは、プロダクト内のユーザー行動を分析し、UX上の改善に繋がる示唆を明らかにする分析手法のことです。詳しくは、下記の 記事 内にある動画をチェックしてみてください!)

背景にあるのが、まさにモバイルオーダーで、コロナ禍で購買行動が多様化し、オンライン/リアルの行き来が増えている。だからその分析が重要になると。あと、リアルタイムパーソナライズですね。バーガーキングさんはユーザーがマックに近づいたときにクーポンを出したりしています。

このように、現代はファストフード戦国時代だといえます。海外ではいろいろな会社がデジタルを活用して、ユーザーに与える体験に磨きをかけていて、何とかして食べてもらおうとしています。この流れは日本国内にも来ると思っていて、実際にローソンさんなど、モバイルオーダーをはじめる企業が増えましたよね。

ドトールの強いポリシー

アプリ研究会での小嶋氏

小笠原 スターバックスさんのアプリでは、先行販売の情報などもログインすると見られます。これが「あなたしか見られない」という感覚をつくりだしていて、そういうところもうまいと思います。

スターバックスさん以外の話もしますと、ドトールさんはサードプレイスではなくて、コーヒースタンドからはじまっているから、サッと入って次の打ち合わせまでの時間を過ごす顧客イメージを持っているんですね。そこは明確に戦略としてやっていて、同グループのエクセルシオールなどはサードプレイスのポジションとして運営されています。アプリもドトールさん単体ではなく、グループ全体の「DVCアプリ」があり、グループ内にいろいろなブランドを持っているので販促したいという思いもあるのかと推測されます。

小嶋 ドトールさんの「ご当地券面」機能、凄いですよね!

小笠原 これは評判いいですね! 商品購入後にレシートを読み取るとDVCの券面のデザインが変わるというもので、利用者がとても多いです。全部集めている人もいるくらいです。

ドトール_ご当地券面

小嶋 これも割引ではなくインセンティブとしての施策ですよね。

小笠原 はい。実際に分析してみると、ご当地券面を集めている人のほうが単価も高いことがわかっています。だから、単なる「ばらまき」ではありません。ドトールさんはフランチャイズありきの企業様なので、ばらまきをすると各店舗に負担がかかってしまう。それを避けようという強いポリシーを感じます。

小嶋 しっかりアプリ内コンテンツをつくって、そこをキーに単価を上げている良い事例ですね。

塚田 他方、コメダさんは比較的シンプルな構造になっており、キラーコンテンツが少ないです。今のアプリがアクティブ率を確保できているのは、熱狂的なファンが根強くいるからです。そういう意味ではファンを創り出している各店舗のがんばりによるものかと思われます。つまり、コメダさんは店長さん、店のオーナーさんが独立経営者の感覚で店舗を回しているので、コーヒーの価格、豆、キャンペーンも店舗によって異なります。たとえば、朝市を開いて野菜を売っていたりする店舗もあるくらいです。そういったところから店舗ごとの集客、ブランディングができていて、今のアプリに繋がっているわけです。

以上を総括すると、今のところやはりスターバックスさんがアプリの成功事例の極み、といえるかと思います。

※本記事は、2021年12月時点での情報をもとにしています。

いかがでしたか?今回のテーマは「リテール(カフェ)」ということで、株式会社DearOneのアプリ領域のプロフェッショナル達と共に、スターバックスさん、ドトールさん、タリーズさん、コメダさんの4つのアプリを取り上げ、議論しました。

アプリを作ったが思ったように販促ができていない企業様、これから自社ブランドのアプリ開発をしたい企業様、アプリは作るだけではなくグロースさせたいという企業様は、ぜひアプリ開発とアプリグロースのプロフェッショナルが揃っている弊社DearOneへご相談ください。

References
*1 レジに並ばずオンラインで商品を選択・支払いし、店舗で受け取ることができるサービス

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