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モバイルコマースマーケターにとってディープリンクが必要不可欠な理由

2022.03.07

2021 Adobe Digital Economy Index*12021 Adobe Digital Economy Indexによると、2020年8月に小売店のWebサイト上で行われたオンラインショッピングのうち、60%のユーザーがスマートフォンからアクセスしていたことがわかりました。現在、その割合はオンライン販売全体の40%を占めています。また、Adjustと米モバイルアプリ調査会社のSensor Towerのデータに基づくショッピングアプリのトレンドを分析した「Eコマースアプリレポート2021」によると、2021年には世界のEコマースアプリのインストール数は前年比10%増となり、スマートフォンでショッピングをする人が増加しました。小売業者にとって、今後のモバイルコマース、すなわちMコマースが重要な鍵となることは否定できません。この勢いを販売に繋げるには、消費者がモバイルアプリを使う際の負担を最小化することが必要不可欠です。そして、多くのMコマース小売業者は、ディープリンクを使ってそれを実現しています。

2021年、世界のEコマースアプリのインストール数は前年比で10%増

ディープリンクとは?

リンクの一種であるディープリンクは、ユーザーをWebサイトやアプリストアのページではなく直接アプリ内のページに誘導します。ディープリンクを使用すると、ユーザーをプロモーションなどのアプリ内の特定のページに直接誘導できるため、自分でページを探す時間と労力を省くことができます。この手法はユーザー体験を大幅に改善します。デスクトップでは一般的ですが、モバイルではまだ利用されていることが少ない状況です。ディープリンクを使用すれば、ソーシャルメディアネットワークのワイヤレスイヤホンの広告から直接アプリのその製品のページに移動するなど、モバイルのユーザーは手間をかけずにページを移動できます。

ディープリンクによってユーザーは必要なものを簡単に探せるようになり、何度も繰り返し使ってもらえることも期待できます。さらに、ユーザー獲得 (UA) が改善でき、シームレスなエクスペリエンスを提供することで離脱の問題にも効果があります。

ショッピングアプリでディープリンクを使用する方法

Mコマースアプリでディープリンクを使用する大きなメリットは、ユーザーが興味を持つページに誘導してコンバーションを向上できることです。実際に、モバイルユーザーの51%*2eMarketerがアプリ内でトランザクションを完結させたいと考えています。そのため、モバイル広告やメールでマーケティングを行う際は、アプリ内に直接誘導できるディープリンクが効果的です。

また、ソーシャルメディアにおいてもディープリンクが特に有効です。オンラインショッピングのユーザーにとって、スタート地点としてのソーシャルの重要性は増加しており、ソーシャルメディアのユーザーがモバイルを使用する比率も高まり続けています。潜在顧客がプロダクトやオファーをクリックできるようにして、直接アプリ内ページを開いてショッピングしてもらうことは、ビジネスにとって有効な手段です。

しかし、ディープリンクには別の用途もあります。

休眠状態のユーザーや、買い物を途中で止めた顧客などのコホートを特定し、ディープリンクを組み込んだメールやターゲティング広告によるメッセージを訴求することで、異なるオファーや広告キャンペーンにそのセグメントがどう反応するかを確認することができます。また、リエンゲージメントを促進したり、離脱の可能性があるユーザーをアプリに引き戻したり、会社の製品を思い出してもらったりすることもできます。

しかし、まだアプリをインストールしていない状態でユーザーがディープリンクをクリックすると、どうなるのでしょうか。心配はいりません。ユーザーがアプリをインストールせずに広告をクリックすると、まずはディファードディープリンクによりアプリストアが開きます。そして、ユーザーがディープリンクをクリックしたというデータは記録されているので、アプリのインストール後に目的のページが自動的に開きます。このシームレスなユーザー体験は、ユーザーの満足度をアップさせるだけでなく、販売機会の見逃し削減にも繋がるはずです。

ディープリンクとATT

iOS 15以降での変更に伴い、ダイレクトディープリンクとディファードディープリンクの両方で注意すべき点があります。

IDFAが廃止され、App Tracking Transparency (ATT) が導入されてから、マーケターはモバイルキャンペーンを理解する新たな方法を模索しています。これまで述べてきたように、キャンペーンでディープリンクを使用すると、ユーザーがどの広告やメールに反応したのかを理解できるので、広告予算を有効に活用できます。

朗報なのは、ディープリンクなどのユーザー体験に関わる機能は、ATT規制に対する回避策として使用される場合を除き、禁止されていない点です。そのため、iOS 15以降でも影響はありません。ただし、注意すべき点があります。    

SKAdNetworkキャンペーンは、Web ViewでApp Storeページを開きます。これらのキャンペーンは、既存のユーザーをアプリに、あるいは、新規ユーザーをApp Storeに誘導する条件付きディープリンクの動作を妨げる可能性があります。すでにアプリをインストールしているユーザーの場合、条件付きディープリンクは通常通り動作します。ただし、新規ユーザーがアプリインストールのためにApp Storeに送られることはありません。今後、ディープリンクキャンペーンを企画する場合は、この点をご留意ください。

ディファードディープリンクの使用を計画している場合は、iOSのプライバシー対策による影響を受ける可能性がある点にもご注意ください。確定的アトリビューションがなければクリックとインストールを紐付けることはできないため、トラッキングに同意しないiOS 15ユーザーに対してディファードディープリンクを使うことは厳しく制限されます。 

マーケターは、iOSでいつどのようにディファードディープリンクを使うかについて、賢明な判断を行う必要があります。しかし、Androidデバイスのショッピングユーザーをターゲットにするなら、ユーザーのナビゲーションを気にすることなく、1つのページやステージ、カタログを中心としてキャンペーンを最適化できます。Mコマースのユーザージャーニーのあらゆるステージを改善するディープリンクは、今後のマーケティング戦略に貢献するでしょう。

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