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この記事は、2025年12月10日に開催した「Growth Summit 2025 『顧客視点×データ革新で拓く アプリグロース&マーケティングイノベーション 』」の一部セッションレポートです。
不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME’S」を運営するLIFULLは、プロダクトアナリティクス「Amplitude」を軸に市場学習回数(PDCA回数)を増やすことで、施策成功率280%、CV数10倍という成果を実現しています。本セッションでは、プロダクトの成果を「施策数×成功率×1施策あたりのアップリフト」に分解し、その中でなぜ“施策数=市場学習回数(PDCA回数)”にフォーカスすべきなのか、その理由と実践プロセスを具体的に紹介します。
市場学習の回数を増やしたいと考えているものの、さまざまなボトルネックに直面しているプロダクトチームに向けて、明日から試せる実践的なヒントをうかがいました。
※レポートはセッションの一部を抜粋しております。あらかじめご了承ください。
市場学習回数を重視し成長する不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME’S」
DearOne 麻野|
『データ分析で切り拓く未来:LIFULLの市場学習と施策成功の秘訣』というところでAIに絡んでもお話させていただければと思います。
LIFULL 井上様|
改めまして株式会社LIFULLでプロダクトマネージャーをしている井上と申します。私は賃貸領域のマネージャーなどを経て、現在は、パーソナライズレコメンドやマイページ機能などの開発チームでプロダクトマネージャーをしております。

弊社の主力事業は不動産・住宅情報サービスの「LIFULL HOME’S」で、それ以外にも業界最大級の老人ホーム・介護施設検索サイト「LIFULL 介護」、空き家活用推進などの地方創生事業、少し変わったところではDリーグというダンスのプロリーグでLIFULL ALT-RHYTHMというチームを運営しています。
DearOne 麻野|
ありがとうございます。私も自己紹介をさせていただきます。デジタルマーケティングのツールなどを扱うカスタマーサクセスマネージャーをしております。
市場学習回数を増やすことはなぜプロダクトの成長になるのか
DearOne 麻野|
それではまず1問目、この数字は何を指しているでしょうか?

DearOne 麻野|
正解は、企業が目指す市場学習回数の数でした。膨大で素晴らしい数ですよね。
LIFULL 井上様|
そうですね、トップ企業はすごいですね。
DearOne 麻野|
この数字をきっかけに本題に入っていきたいと思うんですけれども、市場学習回数を増やすことがなぜプロジェクトの成長になるかというところでお話いただけますでしょうか。
LIFULL 井上様|
はい。LIFULLでも市場学習回数を非常に重視しています。弊社ではプロジェクトの成果をよく次の三つに分解して考えています。ひとつは施策数(市場学習回数)ですね。そして施策の成功率と、1施策あたりの成果のアップリフトなのですが、後者の二つはやってみないとわからない部分が大きく、コントロールが難しいものになっています。
一方で、施策数に関してはプロセス改善等々を重ねると着実に増えていきますので、自分たちでコントロールできる部分に注力するというところが一つポイントになるかと思います。

また、この施策数、市場学習回数を増やしていくと副次的な効果で成功率やアップリフトも上がっていきます。施策が増えればうまくいかない仮説も省けていくので成功率も上がりますし、打ち手がクリティカルになるのでアップリフトも上がりやすくなります。まずはやはり市場学習回数に注力することが非常に妥当な戦略になると思っています。
DearOne 麻野|
ここにも実際に定量的なデータの根拠があるということですね。こちらの数字はいかがでしょうか?

LIFULL 井上様|
プロダクトを大きく成長させようとなると、大がかりなプロジェクトを立ち上げて、半年〜1年の開発で一発で大きく成果を得るという計画をしがちかなと思います。一方で市場学習回数の考え方は、個々のアクションはコツコツと、という形ですけれども、よくある1日0. 1%の複利的な考え方で中長期的に見れば大きな成果が確実に出せるスマートなやり方だと考えています 。
DearOne 麻野|
複利的な積み上げを分析に、というところが新しい発見かなと思います。
LIFULL 井上様|
その市場学習回数をブーストさせていくために二つポイントがあると考えています。ひとつは、やはりたくさんの打ち手が必要になりますので、施策の立案や効果測定から次のアクションへの高速化は絶対に必要です。
もうひとつは単にリリースしていくだけではなく、そこからちゃんと学んで次に生かすための体制構築が必要になります。その点でプロダクトアナリティクスが非常に有効だと考えています。

LIFULLの市場学習回数を支えるプロダクトアナリティクス「Amplitude」
DearOne 麻野|
ここからは、データ分析の課題に対してプロジェクトアナリティクスを導入された際の背景を少しお伺いできればと思っております。
LIFULL 井上様|
データ分析に関しては大きな課題がありました。ひとつはツールの使いこなしで、Amplitudeを使う前はGAを使っていました。
ご存知の方も多いと思うんですけれども、GAって結構難しいですよね。弊社独自のカスタマイズもあり、うまく使えているメンバーも一部いましたが、使えていない人もいて、分析に時間がかかっていました。
そのため、インサイト発見までしっかりとやって次に繋げたいところを、ABテスト勝った負けたぐらいの単純な集計レベルのレポートで効果測定を終えてしまうことも多かったです。
DearOne 麻野|
私も実際、過去にGAを触っていましたが、データの期間が増えたりカスタマイズを細かくすると動かなくなってしまったりと使い勝手が難しい部分も様々あるかなと思います。そういったデータ分析の課題に対してプロダクトアナリティクスのAmplitudeを導入された背景をここからお伺いできればと思います。
DearOne 麻野|
ツールに関しては私の方からご説明を簡単にさせていただければと思います。Amplitudeというプロダクトアナリティクスのツールに関しては、スピーディーに分析ができて、ノーコードで高度な分析もできますし、オンラインオフライン横断の分析も可能になっているツールでございます。分析もマジックナンバー分析やクラスター分析など、GAでやると非常に時間がかかるものも瞬時にできるというところが強みのツールです。
実際にAmplitudeを使ってみて、いかがでしょうか。
LIFULL 井上様|
「早い」という第一印象は皆感じているようです。サッとデータが出てきて、欲しいデータにたどり着くのも数クリックで叶います。
DearOne 麻野|
効果が既に出ているということで、ご説明いただいてもよろしいでしょうか。
LIFULL 井上様|
これは社内でも早めにAmplitudeを導入して、うまく活用できているチームの実績ではあるんですが、施策数は150%増、施策の成功率は280%増でコンバージョンは10倍となっています。分析のサイクルを回していくことをかなり早い段階から組織として積極的に積み重ねていくのでこういった成果に繋がっていったと感じています。

DearOne 麻野|
冒頭でもお伝えした通り、ひとつの施策の効果だけを見がちですけども、市場学習回数を上げていくことを組織として実践されている点が非常に興味深い内容かなと思います。今後の展望はいかがでしょうか。
LIFULL 井上様|
市場学習回数に関しては我々も注力して長く頑張ってはいるんですけれども、冒頭にあったようなグローバルな企業を見るともっと高いところもありますし、直近ですと生成AIが出てきましたので、自社の新しい武器として活用していければもっともっと伸ばせると考えています。
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市場学習回数を効率的に増加・高度化させるために重要な『AI』の活用とは?
DearOne 麻野|
ではここからは、市場学習回数を効率的に上げるために重要なAIの活用方法についてお話できればと思います。こちらの図は日本におけるAI活用の現状でして、まだまだ課題と感じるところも多いかと思いますし、皆様注目されている部分かと思います。

ここからは、LIFULL様のAI活用の中身についてお話いただければと思います。
LIFULL 井上様|
生成AIの活用に関して、弊社ではChatGPTがブームになった時期からいち早く取り組んでいますので、不動産業界でも進んでいる企業だと自認しています。
一方で、実際に私のチームなどで市場学習回数やコンバージョン数などの成果に直接繋がることが増えているかというと、実感を得にくいというのが正直なところです。それがなぜかを考えているんですが、原因はこのようなことなのかなと思っています。

「局所効率化の壁」と名づけましたけれども、プロダクト開発でいうと仕様書を作るとか、エンジニアがコーディングするという個人レベルの一部のタスクは、劇的に早くなっても、最終的な成果に繋がっていないという状態ですね。
よくある例としては、コーディングは早いのに、その後のレビューやテストのところでタスクが積み上がってしまって疲弊してしまうとか、仕様書は一瞬でできたもののエンジニアの手が空いておらず開発に入るのは1週間後になってしまうみたいな状況です。
要するに、プロセスやワークフロー全体の一部分だけが効率化されていて、そうではない部分がボトルネックになってしまっていて、結局ボトルネックが無くならないために、最終的な成果に繋がらない状態が起こってるんじゃないかなと思っています。
このボトルネックが残るという課題を乗り越えるために今、二つのことに取り組んでいます。そのひとつが開発プロセス全体の半自動化です。企画からリリースまで一連のプロセス全体をAIによって半自動化させようとしています。
完全自動化ではないのは、まだAIが全部おまかせというところまでは進化していないので、AIが一旦やって人間がそれをレビューするという状態を各プロセスで作っています。
もう一点は、開発プロセスの民主化です。今後、各プロセスをAIで半自動化していくと、この職種がないとできないというタスクがどんどん減っていくと考えています。エンジニアが企画をすることもありますし、デザイナーがコーディングをすることも現在私のチームでも起こっています。
こうなってくると誰でもできるタスクが増えていくので、先ほど例示したようなエンジニアの手が空かないから開発が進まないという事象が起こっても、手が空いている企画の誰々がやるよという形で開発プロセスを進められ、チームのリソースを柔軟に、効率的に活用できると思います。
さらにその先に、職種関係なく「施策推進担当」のような形で、1人が複数の施策を常時回している状態を作れるかなと思っています。
DearOne 麻野|
素晴らしいお考えですね。
LIFULL 井上様|
この先に目指していくのは、PDCAサイクル全体の自動化・高速化です。

ここまでの話はリリースまでの、PDCAで言えばPとDでしたが、その後のチェック、アクションについても、今後より力を入れて自動化していって、サイクルが自動的に回っていくと今後のプロダクト開発のブレイクスルーポイントになると思っています。
このチェック、アクションの強化については、この後ご説明いただくAmplitude AI Agentがカバーしてくれることを期待しています。
Amplitudeで叶えるAI活用の未来
DearOne 麻野|
ここからAmplitude AI Agentというところの機能ですね。実際LIFULL様にも使っていただいておりますが、私の方から少し説明させていただければと思います。
DearOne 麻野|
直近リリースされましたAmplitude AI AgentというAI機能でございます。Amplitudeにはデータ分析、インサイト、アクションと3本の軸があります。機能がそれぞれプラットフォームの中に備わっておりますが、Amplitude AI Agent機能が全てに入っておりまして、分析からPDCAアクションまでをAIが半自動で進められるような機能になっております。

DearOne 麻野|
実際にこれがもたらす変化として、以下スライド左側のAmplitudeがない場合ですと、データウェアハウスからCDPからデータを取り込んで分析、アクションをしていくタームが大体約3ヶ月ぐらいかかるものに対して、Amplitudeがあるだけで40時間に短縮するんですけれども、Amplitude AI Agentがあることで5分にまで縮まるという未来があります。
この3ヶ月が5分になるという時間差が、冒頭にありました市場学習回数にも影響してくるのかなと思っております。

DearOne 麻野|
実際に2つの機能をご説明させていただければと思いますが、まずAmplitude AI Agent内のダッシュボードエージェントという機能になります。フレームワークに基づいてダッシュボードを用意されているお客様がこれを分析して読み解くにはかなり時間かかるかなと思いますし、F1、F2というような企業の課題に対しても、AIが示唆を出してくれるような機能になっています。
気になった示唆に関してはチャートを開いて、具体的に見ながら人の目で適切な示唆が出ているかどうかを判断していくものになるかなと思っております。

井上様こちら実際使われてみていかがでしょう。
LIFULL 井上様|
最初は半信半疑で使いましたが、結構良いインサイトが出てくるので、やるじゃんという感じでした。本当に簡単に、ポチっと押せばインサイトまで自動で出てくるというところは感動体験でしたね。
DearOne 麻野|
まさに私も支援させていただいているお客様に対してもこの機能を使ったレポートを毎月出していますが、そのままですねという言葉をいただいたりですとか、正しい示唆が出ているのかなと思います。この機能で我々の分析する時間も本当に短くなっていますし、ここからさらにより深掘った示唆が出るというところが素晴らしいかなと思っております。
DearOne 麻野|
もう一つ、ウェブサイトコンバージョンエージェントも紹介させていただければと思います。URLベースでこのページをAIが見ていきながら課題がどこにあるかやデッドクリックがどこにあるかなどを特定していく機能になっています。
かつA/Bテストの機能になっておりますので、デッドクリックがあるものに対して分析をしっかりしながら、改善アクションをこういうふうにすればいいですとか、テキストも具体的に示唆が出ますので、A/Bテストの時間もかなり短縮するのかなと思います。
LIFULL 井上様|
まさに先ほど私が言ったチェックから次のアクションまでの具体的な内容まで提案してくれる機能になっているので、一気にPDCAのサイクルが回るイメージが持てるなと感じています。
DearOne 麻野|
わかりにくいかもしれませんが、こういった形でA/Bテストを四つぐらいAIが実際にイメージ図で表してくれたりもしますし、適時人の目で修正なども加えられます。まさに半自動化でAIを使っていくことにはうってつけなのかなと思います。

💡AmplitudeのAI Agentに関する詳細は以下の記事で解説しています。
Amplitude「AIエージェント」とは?日々の分析が驚くほどラクになる新しいAI機能
DearOne 麻野|
では、本日のまとめとさせていただきます。
LIFULL 井上様|

冒頭のこちらの数字ですけれども以前は本当にグローバルな大きな会社の数字は非常に高い目標だなと思っていましたが、生成AIが出てきたことで、今となっては私たちにも目指せる数字だと感じていますし、より高いところを目指せるのではないかと最近は感じています。
より上手く活用して市場学習回数をさらに増やしていきたいです。
DearOne 麻野|
貴重なお時間をいただきありがとうございました。
