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2,000万回再生のTikTok売れ&マーケティングは「誰に、何を、どのように売るか」【第2回Growth Meetup】高岳史典フェロー「P&Gとラムチョップ」

2022.07.11

2022年5月25日(水)18時、各分野の最先端の現場で活躍するトップランナー「フェロー」と自由に意見交換ができるユーザー参加型オンラインイベント「GrowthMeetup」の第2回目が開催されました。

今回は「TikTok売れ」「TikTokマーケティング」について意見を交わしたディスカッションと、高岳史典フェローによるプレゼンテーション「P&Gとラムチョップ」です!

1 TikTok売れの秘訣とは–感動・共感で2,000万回再生!?

TikTok売れ

三石 まず前半の「Growth News Topics」では「『TikTok売れ』は、なぜ起こるのか?その理由とZ世代が衝動買いをするポイント」という記事を取り上げさせていただきました。ここ最近のTikTok界隈の盛り上がりは皆さん、ユーザー体験としてご存知だと思いますが、マーケティング視点では「バズ」にとどまらず小説が売れたりなど、結構「購買」まで繋がってきているということですね。特にZ世代の購買行動において、従来型と異なってきている。ここにうまく刺さっていてですね、コンテンツを作る側として、広告をうまくやっていく「広告の民主化」ということが起こっていて、とても面白いなと感じています。

このあたり、フェローの皆さんにどう思うか、どうしていらっしゃるかを聞いていこうと思います。まずPRのプロの村上さんはどうお考えでしょうか?

村上 TikTokを見続けているというまでではないんですけど、夜寝る前とかに見るとテレビの視聴体験に似ているんです。要は見ようと思って見ているというよりも、こうスワイプしていくと偶然の出会いがあるわけですね。そうすると思わぬ出会いがあって、それに興味を持つということはあると思います。
今、広告にいいねがすごくついて「広告の民主化」なんて言うんですけど、広告を広告と認識し、なおかつそれが面白くていいねをつけて、直接購買されるというのは、今のテレビを見ないZ世代の人たちに唯一アプローチできる方法なのかなと思います。エージェンシー側の人間としては、そこにどうアプローチしていくのか、TikTokだったりYouTube Shortだったりも然りなんですけど、情報体験としては非常にテレビに似てるなという印象ですね。

三石 今日、会場参加されている方の中に、司会の高山さんのお知り合いでTikTokerの方がお越しになっています。窪井さん。

高山 運用3カ月で10万フォロワーを獲得して、別アカウントではコンテンツ6本で総再生数100万を超えているということで、そのあたりのお話を聞かせていただけますでしょうか。

窪井 元々、山口県のテレビ局で5年間営業をしていて、どう見せるかといったことを上司からずっと言われていた中、TikTokを始めました。この記事を見て思うことですが、TikTokで紹介された小説が重版決定したというニュース。小説って若い人からしたら、ちょっと距離があるものだと思うんですが、それだけ若い人がTikTokを見ているということなのかなと。YouTubeの場合はサムネイルを見て、紹介されている小説が面白いと思えば買う。ジャケットを見て買うようなイメージですね。
対して、TikTokはオススメでいきなりボンとくる、というのが大きく違っていると思います。その中でどういう現象が起きるかというと、多くの若い人には「小説ってちょっと古いよね」という前提条件が刷り込まれているから、ジャケットがいくら面白くても開かないんですね。
TikTokはいきなりボンって見せて、見せ方がうまければ惹き込まれていくので、もう一度その前提条件を壊せるプラットフォームなんです。例えば「ゴルフって今の若い人あまりやらないよね」と思われてますが、TikTokからゴルフがもう一度若者にバズる、ブームになるといったなどの広がりもあり得るんだろうな、とこの記事を読んで思いました。

三石 ちなみに、その個人でやってらっしゃる再生数を伸ばす秘訣というのは、どのように伸ばしたんですか?

窪井 ありきたりですが「共感してもらうこと」ですね。もともと挑戦する人を応援したいという思いでTikTokを始めて、最初は僕自身が出演して「頑張ろう」というメッセージを直接言っていたんですが、誰にも見てもらえない。じゃあ「この思いを何か加工しないといけないな、誰がTikTokにいるんだろう」と考えたときに若い人だな、と思って「YouTuberの人生を紹介する」という形に変えました。
その中で、YouTuberという凡人、普通の人がキラキラ輝いているっていうその過程を見せることで、僕の伝えたいメッセージをその中に一本芯を通してコンテンツを作っていったら、100万回再生されました。そこからは全部YouTuberの人生一本にしたところ、2カ月でフォロワーが7万人増えたり、2,000万回再生されたりとか、といった風になっていきました。

河上 もう既に広告塔というか、タレントへの道を歩んでいらっしゃると思うのですが、ぜひご意見を聞かせていただきたい。僕らの世代ってタレント、特に芸能人と言われる人が広告塔だった時代なんですよね。それがもうだいぶ崩壊していると言いますか、「芸能人が広告塔の役割を果たしているんだっけ?」というような時代に入っているのではと思うんですけどその辺、自分たちが新しい広告塔になっていく意識だったり目指すべき姿だったりを、TikTokerやYouTuberも含めて皆さん持っていらっしゃるのでしょうか。

窪井 そうですね。今、僕が作っている動画の形みたいなものでは、企業のブランドストーリーとかを、そのまま動画に落とし込むやり方もあるのだろうと思っています。私、YouTuberの人生を紹介するに至るまでに、芸能人の人生を紹介していた時期があるんです。出川哲朗さんとかの情報を調べたりして作りました。その直後に、YouTuberのコムドットさんの人生を紹介したんですけど、出川さんが5,000回再生くらいで、コムドットさんが100万回再生でした。
今のZ世代の人たちにとって、芸能人がどこまで心を動かせるのか。番組を見て、絶対知ってはいるんですけども感動する、共感するっていうところまでは距離があるのかなと思いました。

河上 僕らも改めて考え方を変えないといけないのかもしれませんね。勉強になりました、ありがとうございました。

2  高岳史典フェロープレゼンテーション「P&Gとラムチョップ」

高岳 こんにちは、高岳です。よろしくお願いします。
まず「P&Gマフィア」の話をします。P&Gマフィアのマーケティングのお勉強をしましょう。定義です。
「より多くのもの・サービスを、より多くの人に、より多くの頻度で、より高い価格をつけて、より効率的に売るための戦略的な活動」
P&Gはじめ外資系マーケティングの人が思っている「マーケティングの定義」です。要は商売です。

じゃあそのマーケティングに必要な要素って何か?僕らは「誰」に「何」を「どうやって」売るかと言う風に考えています。これはつまり”Who” ”What” ”How”であると、こればっかり考えています。

「誰」に「何」をというところを少しだけ解説しましょう。「モノ」はそのままでは売れません。「コンセプト」がついて初めて「商品」になります。さっき言ったように、マーケティングは「モノ」を売るから商売です。「モノ」を「商品」にするためにつける、「誰」に売るかとかどういう便益、「何をあなたにします」とか、「なぜできました」とか、このくっつけるものが「コンセプト」です。P&Gマフィアでは「モノ」を「商品」にするためにつける属性のことを「コンセプト」と言っています。

「あなたはこれを求めていますね。だったらこういうものをさしあげましょう。なぜそれをさしあげることができるのですか。理由はこうだからです」といったようにです。同じ「モノ」であっても「コンセプト」のつけ方によって「商品」が変わって商売が変わる。だから僕らは「コンセプト」をすごく大事にします。

さて、次は「どうやって」
先ほどの”Who” ”What” ”How”の、”Who”と”What”は今やりましたね。「誰」に対して「何」を売るか。”How”「どうやって」というところはですね、3つのステップしか考えていません。「どうやって」売るか?
まずは①認知させる。知らないものは絶対人は買えない。
②トライさせる。1回試してみないと、それがいいかどうかわからない。
③リピートさせる。何回も買ってもらわないと商売にならない
んですよね。だから、僕らはいつも「僕らの商品はいつもどのステージにいるんだ?」と考えます。

そして、それに対して打ち手を考える。認知させるんだったら、広告打たなきゃいけない。リピートさせるんだったら、プロダクトをもっと良くしなきゃいけない。認知してもらってないのに「モノ」だけ良くしても仕方ないです。あるいは、全然イケてないプロダクトを一生懸命広告で広めても、1回は買ってもらえるけどリピートしてもらうことはできません。だから、これらのどの段階で止まっているかによって処方が変わるんですね、打ち手は。

そして、だから僕らマーケターは”How”の部分で「一体どの段階で今止まっているんだ?」「認知が足りないのか、トライが足りないのか、リピートが足りないのか?」そればっかり考えて、打ち手を変えていく。逆に言うと、どの段階にあるかに対して、全然違う打ち手を打ったら何の効果もありません。お金の無駄遣いになります。今、P&Gマフィアのこと全部喋っちゃったので、みんなこれでもうP&Gマフィアです。

私が経営するレストラン「ウルトラチョップ」のコンセプトは、「ラムチョップ&ワインの素敵な空間を、人生を楽しむ女子(あなた)へ」
出店する場所も重要です。中目黒店出して、麻布十番店出して、京都先斗町店出して(コロナでこの間閉じちゃいましたが)、餃子バーの麻布十番店も出して。PRですね。ここにあるということ。場所自体の力を借りてPRをするということになります。

意図的に、街として「わかる、わかる」という場所に出しています。これからもそうします。飲食店、あるいは小さなお店を出すなど何かをするときに、場所はすごく考えた方がいい、すごく重要です。

ウルトラチョップ、もう9年やっているんですが、はじめの3年はずーっと大赤字です。そんな簡単にいかない。今だって大変だし、この2年間はコロナでお店を閉店したり、いろんなことが起こるわけです。だけど、使えることはたくさんあるわけです。

P&Gで学んだ「型」ですね。”Who” ”What” ”How”。そこで学んだ形、思考パターンはどんなビジネスにも有効だと思います。「言ってもそれはマスマーケティングの話でしょう?」といった、いわゆる「マスとの違い」は言い訳に過ぎません。すぐ近くにヒントはゴロゴロしています。コラボレーションできる人はいるんじゃないか。信頼できるエンドーサーはいるんじゃないか。場所選びなんかも自分たちでできますよね。そのほか、他の業界にもいろんなヒントはあると思います。

そして、”I Have A Dream”という黒人解放運動を率いたキング牧師の有名な一節ですね。僕にも夢がある。それは「飲食の仕事がカッコイイ」ということを皆さんにも共有していただきたいというのが、今の僕の夢です。飲食って美味しいごはん作って、一生懸命サービスして、毎日誰かお客さんに怒られるんだけど、時々ちょっと褒めていただいたりするわけです。それで幸せになって「明日もまた頑張ろう」と言っているうちに、人としても成長していける。それってめちゃめちゃカッコイイ仕事だなぁと思っているわけです。

ひょっとしたら今日観てくださっている方、来てくださっている方にもいるかもしれませんけど、ITとかで起業した若い人で「もう世界変えちゃうぜ、俺は」っていうそれも素晴らしいんだけど、今日も厨房でラムチョップを汗かきながら焼いて、目の前にいる人を幸せにしようとしているうちの店長も、まあ負けないくらいカッコイイと思ってる。

だけど「飲食っていつだって給料は安いし、労働時間は長いし、将来安定してないからイマイチじゃん」って言われます。僕、飲食店を始めたけど、相変わらずそんなことを言われる。でも、絶対そんなことないと思う。

飲食店が馬鹿にされるのは多分、経営者が悪いからです。僕の身の周りでも、まあまあ羽振りよくやってらっしゃる飲食経営者の方いらっしゃいます。楽しくやってらっしゃる方もいらっしゃいます。でも、その楽しくやっているときに、その飲食店のスタッフはどうなんだろう?ひたすら働いて、大した給料ももらえずにやっているとしたら、そりゃあみんな飲食店のスタッフなんかやりたくないと思いますよ。

だから、経営者が悪い。経営者が何とかする。そうすることによって、飲食のスタッフは自分の好きな料理を作り、お客様に出し喜んでもらって、そして成長して頑張っていこうと思える。だから、飲食の仕事はめちゃめちゃカッコイイんです。この気持ちをぜひ皆さんと共有したいし、うちのスタッフの共有したい。うちのスタッフには「飲食の仕事はカッコイイから、ぜひ一緒に働こう」とみんなに言ってもらいたい。そう思ってずっとずっと飲食をやってます。

それが僕の夢で、僕が夢中になっていることです。P&Gの話とか、ライブドアの話とかみんな昔話だから、昔あったことなんてもうどうでもいいんです。ただ、その昔話で学んだことは、今のためにウルトラチョップを、ラムチョップをうまく回していくために・・・ずっとその昔話は今日のためにあるんですよ。

だから皆さん、今夢を持っていますか?自分が夢中になっていることはありますか?もしあるんだったら、人の昔話とか自慢話とか、そんなの聞きに行ってる暇全然ないっしょ。自分が夢中になっていることに取り組んだらいい。もう、僕の人生なんか、今まであったことなんか全部、今日のためにあると、本当に僕はそう思っています。

キング牧師の”I Have A Dream”というこの言葉、原文を見ると実はもう1語ついています。”I Have A Dream, Today”とついています。以上です。ご静聴ありがとうございました。

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